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奈良市杉岡華邨書道美術館はかな書の第一人者、文化勲章受章者の杉岡華邨氏を顕彰する書道専門の美術館です。

TEL:0742-24-4111/FAX:0742-20-6677
E-mail:shodou@m3.kcn.ne.jp

〒630-8337 奈良市脇戸町3番地

EXHIBITION

展覧会

2025年11月1日(土)~
2026年1月18日(日)


 

第1回 なら華邨賞 受賞作品展


 奈良市名誉市民であり、「かな書」の第一人者としてかな書の分野で初の文化勲章を受章した杉岡華邨(1913-2012)は、平安時代から脈々と受け継がれてきた日本独自の文化である「かな」が、現代の芸術として発展した時代を支え、自らの書美を追い求めた書家の一人として活躍しました。また、大阪教育大学教授を務めるなど数多くの後進の指導教育にあたり、書道界の次代を担う若手作家の育成にも尽力し、書道文化発展にその生涯を捧げました。
 このたび杉岡華邨の業績を顕彰し、墨や筆を伝統産業とする奈良から新たな書道文化を発信するとともに、新たな時代の書道文化を担う若手作家の発掘と育成を目的として「なら華邨賞」を創設し公募展を開催することにいたしました。
 本展では、応募作品より厳正なる審査により選ばれた「なら華邨賞」(第1席)と「寧楽賞」(第2席)、「南都賞」(第3席)各1点を含む上位入選作品22点を紹介します。その生涯を書に捧げた華邨の志を受け継ぎ、日本の書道芸術文化の次代を担う、40歳以下の新進気鋭作家の作品をご覧いただき、今後のさらなる成長に期待を込めて温かく見守っていただけると幸いです。
【展覧会予定】
2026年1月24日(土)~
3月22日(日)


 

林立する華邨の書-響きあう行と行-

 杉岡華邨はその制作論で「書面を構成する多数行中の一行の構成、二行三行四行の関連ある構成をすべきである。そのうえ注意すべきは、各行を構成している文字の大小、各文字の傾斜による変化と、調和を保つべきである」と語っています。かな書の構成において文字や行、行の集団はそれぞれ独立して存在しているのではなく、前後左右の文字、隣り合う行、集団と集団が有機的に関連性を持ちながら存在しています。それぞの文字や行、集団は大小や傾き、墨色など多彩な変化を見せつつも全体として調和することが大切であり、華邨はこれを「響きあい」と表現しました。
 縦長の半切作品は行と行による「響きあい」が顕著に表れ、作品制作の基本でありその作家の書風をはっきり見ることができる形式です。華邨作品も縦の線を多用し流れを出しつつ漢字や変体仮名で字幅を出し変化を付けていた初期作品から、文字の組み合わさりにより流れを生み出し複雑簡素など対照的な要素の組み合わせで調和を生み出す華邨様式が確立した時代、さらには温かな潤筆と息の長い渇筆でゆったりと書かれた晩年の作品へと華邨の書の変遷が現れています。
 本展ではこうした半切作品に注目し、その変遷を追いながら華邨の書をご覧いただけます。縦長のその一行一行を、華邨の生まれ育った吉野の整然と立ち並ぶ杉林の木々に見立て、密度感豊かに展示いたします。
▶過去の展覧会

バナースペース









華邨の故郷・下北山村
杉岡華邨記念館


奈良市杉岡華邨書道美術館

〒630-8337
奈良市脇戸町3番地

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FAX 0742-20-6677
E-mail shodou@m3.kcn.ne.jp